彩雲幻想

全体的にギャグ分が強めですが、主人公の女の子がかわいく、また変貌振りがすごいので見ていて飽きません。特に青い空の絵がものすごく綺麗で、少し泣いてしまいました。でも少女の方はそうじゃない。とっても感動的で、心温まるお話な筈なんですが……こんな話もあってもいいな、という感じで楽しんで読めました。……基本的に馬鹿だから、馬鹿なことをやって去っていくだけですけど。

前書きと後書きに質問系、全体的にゆるい感じのコメントなど、廃れてしまった文化がぎっしり詰まっていて懐かしくなりました。キャラクターの特徴がよくとらえられていて、さらにギャグ仕立てと来れば、このコンボは最強でしょう。幸せに暮らしているはずの二人の仲が……ラヴラヴなだけに状況的に色々すれ違ってしまうのは悲しいものがあります。元ネタを知っている方も、知らない方も普通に楽しめる作品だと思います。

少女は冷淡に振る舞うことで良心の呵責を打ち消そうとしますが、路傍の花に向けていた優しい眼差しを指摘されてますます決意が揺らぐことに。キャラクターの表情がよく、また感情方面でも感情移入しやすいので良かったです。こんな感じで今回もゆるかわいい日常が続いていきます。絵柄に少し古さを感じるものの古き良きの可愛さを十二分に楽しめる内容となっております。単純に読んでいて面白い、そういう基本に忠実な作品を出せることは結局は作者の力量次第であるため、これほど素晴らしい作品に出会えたことに本当に嬉しい限りです。

発売時期が少し古いので、かなり絵のタッチに時代を感じましたが、それはそれでかなり味があると思います。直接的なエロは無いですが、技をかけられている時の苦悶の表情などは、十分にエロくて満足するものでした。今までのおっとりした性格が嘘のように、戦いになると修羅と化すヒロイン。すごく気になる作品となりました。女の子が強敵相手に仲間とともに奮闘していくのが良いです。