私が好きな花の名は。

可愛らしく描かれたキャラ同士の生々しくも腹黒い駆け引きが、不気味なくらいリアルに迫ってくるものがあり、その描写に関しては感嘆を禁じ得ませんでした。もともとの性格がおとなしめな性格なだけに、他の人格がとてもギャップがあり楽しく読むことが出来ました。

現代社会の闇の部分というかムリがたたった部分がモチーフのため、多くの人に読んでもらえれば社会全体としての理解も深まるのではないかと思います。「鬱」の一文字で距離を置いてしまいそうな方でもお勧めします。今度もいろんな世界で悲惨に大暴れだ！その後は主人公にデレて頻繁に彼に会いに来たり、主人公に寄りかかって唐突に眠ってみたりと段々と行動がエロくなっていくのが良かったです。続きギブミーッ！

相手の子にも同じ位の恋愛感情があればもっと違う結果になっていたのかもしれない。ここにきて、あまり語られていなかったの内面が少し伺えます。そんなあなたに贈る、私が好きな花の名は。……ってしちゃうの？！飽きるかなーと思っていましたが以外におもしろく、まったく飽きることなく読めてしまいました。作者らはかなり詳しいようで、一部玄人受けするテーマがありますが、巻末に解説がついています。

やり込んだからこその弄る楽しさといいましょうか……「ああ、そうきたか」と思わずニヤリとしてしまう作品です。特に何も考えずに楽しめる内容です。その昔、おもちゃ屋さんにアニメロボットのプラモデルを買いに行っていた頃、いつも商品陳列棚で異色のオーラを放っていたロボットのパッケージ。しかしそこが彼の魅力。作者さんのコメントでは苦労されたようですが、その甲斐はちゃんとあったように思えます。

あのシリーズが好きだった方なら、すんなり受け入れられると思います。コマ割やキャラクターのカットの仕方、ストーリーの進むテンポが素晴らしいので、書き込まれた描写の割りに、非常に読みやすい。