くぐりぬけた女 島さち子

メイド服の描き方が漫画というより一枚絵レベルのクオリティだったので、本当にメイド服が好きなのだという意思をひしひしと感じる作品でした。絵本や童画のフィールドでも活躍した往年の名イラストレーターたちを彷彿させる垢抜けた画風に驚きました。今回のヒロインは多重人格という設定で人格がコロコロと変わるのが面白いです。

「元ネタ」知らない方はいないと思いますが、知らない人はそれなりに、知ってる人はより一層、楽しめる。これだけの熱量とセンスとキレを持った本はそうそうないです。単なるエロだけを求めてる人にはただの微エロの漫画ですが系が好きな人には結構楽しめる内容。普通と違った面白さをくれます。原作は未読でしたが、この作品が気に入ってパロ元も読ませていただきました。

この作品は一見の価値有りです！愛の言葉を聞いているうちに眠ってしまった女性の表情が綺麗だったので、印象に残りました。手書きの注釈やセリフ字など、手作り感のある同人誌です。作者さんが中に書かれている通り、登場作品全て合わせて雰囲気が素晴らしくて。基本的にテンション高めのギャグで突き進む内容となっております。

ストーリーパートも優しい雰囲気のお話でとても癒され、作者の原作愛を深く感じることができました。まんまと作品に取り込まれていった訳です。ある意味一番らしい内容かもしれません。主なネタはの特性やその技術的な背景です。子供って、こんなトコあるよな〜、こんな暴言言いそうだな〜と共感しながら、何やらおかしい四コマに笑ってしまいました。セール中ということで、お試しで購入してみました。

ただ、メイド服がかわいくアレンジされたものなので、ごく一般的なメイド服が好きという方にはあわないかもです。そして、表紙イラストは原作のアニメ版の雰囲気がよく出ています。