315 奪われた記憶

自分自身はただ単に「可愛いなー」くらいの意識しかなかったのですが、この本ではかなり熱く・濃く解説されていて今までより更に好きになりました。また鬱と銘打たれていますがその鬱という言葉の魅力に頼った漫画ではないことだけは確実に言えます。こういうの読むの好きだったんですよね。ヒロインと主人公のやり取りが微笑ましくて心がホッとします。これでたくさん客が来るだろうと思ったけど台風だから誰も来ないという寂しいオチも面白かったです。

絵柄もかわいらしく、マンガの表現手法を用いた絵本のようなテイストを感じます。に思い入れがある人なら絶対勝った方がいいです。何かとお疲れの方に。登場キャラも増え、世界に広がりが出た。深刻と言う程では無いけれど、少し自分の中で思い悩んでいる人に、ちょっとお勧めのお話です。相変わらずキャラが可愛くて、短編といえどストーリーの起承転結もしっかりしていて楽しめました。

髪飾りなど細部もしっかり描かれておりクオリティも高く、作品としてはコストパフォーマンスの優れた作品といえます。ネームの間が絶妙なまったり系の風味もあって、これも繰り返し読める再読性を高めてます。タイトルとは違い、シーンはありませんでした。特に青い空の絵がものすごく綺麗で、少し泣いてしまいました。今回この作品を購入したのは、作者のルーツが伺えるかな？という動機からです。

ギャグ的には爆笑という感じではないのですが、空色書房特有の後からジワジワ来る笑いが満載です。……ちなみに私としては、ヒロインの可愛さだけで買う価値はあったと思いました（笑）。暇な時にまた読み返したくなる、これはそんな作品です。というのはマイナーですし、好き嫌いが分かれるジャンルだけど、見ておいて損は無い作品です。ところどころで微妙に電波なナンセンスギャグが混じりつつ、良くも悪くも普通のオチで終わっており、ニンマリとさせてもらいました。