暇人の墨絵集のようなもの肆

ギャグも大体1Pにまとめられているので、わかり易く面白いものばかりでした。このサークルの作品を購入するのは今回が初めてでしたが、作画がしっかりしていて好感がもてました。コスパを求めたい方にはぜひおすすめです。元ネタは詳しく知りませんが、作品内である程度説明があるので、大丈夫だと思います。

「元ネタ」知らない方はいないと思いますが、知らない人はそれなりに、知ってる人はより一層、楽しめる。誰も傷つけることなく、安心して読める作品です。しかしながら、ヒロインの頑張る姿と、周囲に理解する人が増えていく様子が、見ていて心地良い。不思議なゆるキャラが好きな人にはかなりオススメできます！笑った！続編を書いてくれないかなぁ……作者の愛を感じる一品、脱帽です。

ギャグ漫画と誤解されてしまいそうな作風ではありますが、その本質は主人公のありがちなダメ人間っぷりに共感性を訴えかけさせた上で、主人公（自分）を反面教師にして欲しいという啓蒙的な側面があるように思えてなりません。のいい所が凝縮されたような、そんな素晴らしい作品でした。不良少年とは言っても髪を染めて煙草を吸う程度のもので、一人でいるのを好む、そして委員長のパンツには赤面しちゃう可愛らしい一面もある普通の高校生ですので感情移入し易いと思います。風の音が聞こえてきそうなラストシーン。

ただし、Hは期待しないように。ファンタジー冒険風な出で立ちのパーティーにフォーカスを当てストーリー仕立てにもなっています。また、原作が好きな人には大変お勧めである。物語は、それを淡々と描いているが、そこにはしっかりと少年少女のひとつの青春が垣間見える気がした。ギャグ要素が多く、テンポも良いのでめちゃくちゃ面白くてサクサク読めちゃいます。

登場キャラも増え、世界に広がりが出た。お互いがようやくスタートラインを迎えたといえるエンディングでした。どんなに殴られても、蹴られても、ちゃんと主人公は、言葉を伝えています。