DEAR MASTER

物語が進むにつれ次第に表現方に変化してゆくのが見えます。当然そちらを先に見てもらって知っている方が楽しめる内容となっていると思います。「痒いところに手が届く」ように、「読者」の求める「ネタ」を全て網羅しているようです。不良少年とは言っても髪を染めて煙草を吸う程度のもので、一人でいるのを好む、そして委員長のパンツには赤面しちゃう可愛らしい一面もある普通の高校生ですので感情移入し易いと思います。

二人の関係性も恋愛関係へと傾きちょっと甘い雰囲気が漂います。を素材にして、ここまでエロくてうまいのは、ほとんど見たことがありません。ボリュームが凄いので、コスパは最高に良いです。これだけの熱量とセンスとキレを持った本はそうそうないです。普通と違った面白さをくれます。じっくりと読み込むことをおすすめします。

この作品の中では意思の弱い中毒患者は搾取される側の存在でしかないと断じており、自分自身がそちら側であるという事を強く主張し、自戒されているのではないかという想像が膨らんでしまいます。何気なく手に取った本が、とてもわくわくする内容だった感覚に似ています。少々ネタバレ的になりますが、サンプルにある、えっちなシーンというのは、少年誌に載せられるようなささやかなものですので、そういったものが苦手な方にも全く問題ないものです。画風は少し古めな印象がありますが、むしろそれが良い味を出していて良かったです。

ファンならとっくに手に入れていると思いますが、それでもオススメしたくなる作品！これはいい買い物をしました。この作者による18禁作品に接して、この作者に興味を感じて購入しました。妥協の無い丁寧な書き味は、たとえ1つ1つのコマに切り取ってしまったとしても、ストーリーが溢れてくるような、生き生きとした表情を持っている。エンドではありませんが、終わり方がよくいい作品だと感じました。