Closet

やわらかいタッチで、とても親しみやすい感じを殺さずに、それぞれのキャラクターが一生懸命考え、行動し、生きている。そんなあなたに贈る、Closet……ってしちゃうの？！このラノベ作品にはエロは求められないという方にオススメ。また鬱と銘打たれていますがその鬱という言葉の魅力に頼った漫画ではないことだけは確実に言えます。かなり前のを元にしているので、懐かしさを感じながら読めてとても良かったです。

少々ネタバレ的になりますが、サンプルにある、えっちなシーンというのは、少年誌に載せられるようなささやかなものですので、そういったものが苦手な方にも全く問題ないものです。ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。販売されてから年数が経過していることもあり、どこか温かな懐かしさを感じる絵柄にクスッと笑えるギャグ本です。二人の行く末も良い！

元ネタ自体が懐かしいものなので、もしかしたら触れた事のない人もいるかもしれませんが、そんな人でも問題なく楽しめる作品になっています。人生の中で一番好きな作品で、愛読しています。基本ギャグ多めの中に軽いエロ要素がある程度。何気に、背表紙がハンバーグ柄なんですよね。完全なギャグ漫画で読んでいると思わず噴出すようなシーンが何個もありました。陰毛や乳首すら出ていないのに、ここまでエロを感じさせるとは……。

同人作品なだけあって、読者に色々と考えさせる実験的な演出や、商業作品では出来ない斬新な試みがところどころ見られて、他作品と差別化された独創性溢れるとても魅力的な作品でした。もちろん今回も相変わらずなまったり日常ネタを収録。姉妹であり、かつ同姓であるがゆえの繊細な心理描写も良く出来ているし、互いが互いを想うが故に出した答えの切なさと寂しさ。