第三部 「無」

やり込んだからこその弄る楽しさといいましょうか……「ああ、そうきたか」と思わずニヤリとしてしまう作品です。メイド服もよくあるミニスカートタイプではなく、ロングスカートタイプでひらひら多めのリボン大きめというところにもこだわりを感じますね。登場人物の過去や経歴が複雑だったり、キャラの繋がりが謎だったりして、結構感情移入しちゃってます。

ほのかにエッチな雰囲気があってスク水や浴衣もあるのでそういう服装フェチな方で楽しめると思います。絵が綺麗。何かを差し置いてでも、とは言わないけれど、たまにはちょっと、エロ以外の違うところにお金を使ってみたいかなと思ったときなどに、実際に目にしてみたらどうかなあ、なんて思う。美麗なCGではないけれども、あたたかな、不思議な魅力が伝わってきます。

日常のほんわかとした感じが伝わってくるです。内容も漫画やイラスト・小説まで様々でまさに昔を感じさせる内容です。物語が進むにつれ次第に表現方に変化してゆくのが見えます。萌えの人にオススメします。ヒロインがほんわかした雰囲気のしゃべり方で、胸キュンってなれます。面白いのが、登場人物の名前がいっさい登場せず、目的や価値観だけを一人歩きさせて物語を展開する手法ですね。

ひとつひとつを深く掘り下げているというよりは、浅く広くといった作りなので、気負いせずサっと読むのに最適！を知らないと、よく楽しめないかもしれません。ところどころで微妙に電波なナンセンスギャグが混じりつつ、良くも悪くも普通のオチで終わっており、ニンマリとさせてもらいました。そしてあとがき……！表紙ではボロンと堂々と見せつけてくれておりありがたいですね。

あまりにも好きだから、同人誌を描くくらい大好きな方の作品を見れば、魅力が少しでも分かるかなと購入してみました。読んでよかったと思った。