涼しい風に混じったカフェの紅茶の香り

眼鏡をかけたキャラクターがおっとりした性格だとすごく優しい印象になるんですよね。可愛くないはずがありません。各キャラクターも魅力的に動き回っているのでギャグもより面白く感じることができました。今回はギャグは少なめでシリアスな感じの話ですが、とても魅力的なストーリーと演出で引き込まれる作品でした。

キャラも女子を中心に満遍なく出ているので、原作をご存知なら楽しめるかと。横読みのスタイルが非常にあった作品だ。その姿勢が彼女が鬱キャラでありながら、忌避感を感じない理由かもしれません。220円の価値は十分、元が取れたと感じられます。原作のファンの方にオススメです！見て損は絶対無い作品だと思います。ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。

作者さんが中に書かれている通り、登場作品全て合わせて雰囲気が素晴らしくて。そんな感覚が好きな人へ。考証は確かに相当ぶっ飛ばしてますが……まぁそういう部分はあまり問題ではないでしょう。これぞ正にしたたかでしなやかな外交だと思いました。内容は前半がキャラクターの顔見せで、後半がメインになっています。またまた続きが気になります！

ギャグ漫画と誤解されてしまいそうな作風ではありますが、その本質は主人公のありがちなダメ人間っぷりに共感性を訴えかけさせた上で、主人公（自分）を反面教師にして欲しいという啓蒙的な側面があるように思えてなりません。時間のたつのを忘れていっきに読んでしまいました。そんなあなたに贈る、涼しい風に混じったカフェの紅茶の香り……ってしちゃうの？！絵本や童画のフィールドでも活躍した往年の名イラストレーターたちを彷彿させる垢抜けた画風に驚きました。元ネタは知っているのですが、所々忘れていた事もあり、この作品を読んで思い出しながら懐かしさも感じましたね。