やせ細った男 青と赤の間

取りとめの無い日常が描かれます。ややモブいキャラ達をそのモブさを失わないまま愛らしく描いていて、いつまでも見ていられます。すわ過失傷害かと思いきや、男性は立ち上がり、元気はつらつで去っていきます。登場人物も出揃った感じ。かなり前のを元にしているので、懐かしさを感じながら読めてとても良かったです。

この同人誌は相当にコアなネタが満載で、古くからPCを扱ってきた人ほど笑えるというか、頷けるネタの宝庫です。とりあえずはこれからどんなふうに話が展開していくかですね。なかなか切ないお話です。作者さんのコメントでは苦労されたようですが、その甲斐はちゃんとあったように思えます。他のキャラを含めて原作の雰囲気、キャラクターをよく表現できている秀作ではないでしょうか。

姉妹であり、かつ同姓であるがゆえの繊細な心理描写も良く出来ているし、互いが互いを想うが故に出した答えの切なさと寂しさ。登場人物も上手く描かれていましたし、誰だか簡単に分かるのがよかったです。それではなぜこの作品を購入したかというと、鬱デレという響きに純粋に興味を持ったからです。シリアスなショートマンガもありましたが、それもまたよかったです。まさかの失踪本です。

商業紙でも同人でも、を扱っているものは少ないので、とても貴重なものを見れた気がする。ごくごくと温かいものを飲むシーンも微笑ましいですね。また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。不良少年とは言っても髪を染めて煙草を吸う程度のもので、一人でいるのを好む、そして委員長のパンツには赤面しちゃう可愛らしい一面もある普通の高校生ですので感情移入し易いと思います。

原作単行本と同じシチュエーションでありながら、おもしろおかしく遊んでおり、アニメだけよりも原作単行本も読まれていた方はより楽しめる要素が含まれております。