甘ったれるな、フランドール!

単純に読んでいて面白い、そういう基本に忠実な作品を出せることは結局は作者の力量次第であるため、これほど素晴らしい作品に出会えたことに本当に嬉しい限りです。みんなを狙ってます。伏線が非常に多く、一気にのめりこみました。作者様はこれで終了ではないと書かれているので、いつかまた復活したら手に取って見ようと思いました。萌え系漫画ではよく見る、下着としての機能を果たしてなさそうな（笑）小さなパンティ「スキャンティ」（ローレグ）へのこだわりを感じます。

なにやらアニメ本編でもありそうなハナシですね〜（^_^;）内容、絵、価格、どれをとっても納得できると思います。四コマは読みやすく本編を知らなくても楽しめましたし、ボリュームも十分でコスパも良いです。原作は美男美女のキャラが出て来るお話なのですが、こちらではコミカルでギャグタッチにデフォルメされていてとても可愛いです。

医学的な異常は見つからなくても、身体は不調を訴え、身近な人にすら理解されなかったりしつつも、何とか外に出たり先に進もうとする主人公の必死な姿が描かれており、応援したくなります。萌えとギャグを一緒に楽しめます。勿論としてもジワジワ展開していってきてるのでちゃんと楽しめますよ〜。やわらかい語り加減が特徴の作品だと、どうしても文やコマを削り、キャラの動きが秩序だってしまい、わざとらしくなりがちだが、この作品は違う。いつも通りこのサークルさんのスタイルで、萌えやお色気はほとんど感じず徹頭徹尾ギャグで読めます。

挿絵や画力は心もとないですが、文章はのめりこむような面白さがあります。原作のキャラ性を維持しつつもギャグに走り抜けることに全然不自然さを感じさせない所に作者の確かな力量を感じます。ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。あの時の思い出が蘇ってきて、とても楽しくて笑えるギャグ本でした。