臨界イルミネーション

面白いのが、登場人物の名前がいっさい登場せず、目的や価値観だけを一人歩きさせて物語を展開する手法ですね。丁寧な書き込みが、物語の文章で語らず部分についても、空気感のようなものをかもし出し、すんなりと物語にはいっていくことができます。メイド服もよくあるミニスカートタイプではなく、ロングスカートタイプでひらひら多めのリボン大きめというところにもこだわりを感じますね。

基本的にテンション高めのギャグで突き進む内容となっております。当時のほんわかとした自由な合同誌のノリを感じ取ることができます。あと、即堕ちなので過程はありません。そのコピー本によると作者様は映画を見たとの事でしたが……そのの絵の凄い事、すごいこと……。自分はとてもいいと思いました。主人公とヒロインのキャラが個性的で愛着が湧きます。

ですが、少々のネタばれも含んでいると思います。今回の話は今までと違う印象を受けました。お勧めですので、ぜひ読まれてみて下さい。コマ割やキャラクターのカットの仕方、ストーリーの進むテンポが素晴らしいので、書き込まれた描写の割りに、非常に読みやすい。を突き詰めてしまうと、こんな笑える結果になるとは……という意外性が有って、悪くない読了感でした。

販売されてから年数が経過していることもあり、どこか温かな懐かしさを感じる絵柄にクスッと笑えるギャグ本です。風の音が聞こえてきそうなラストシーン。不安ならば、それこそ言葉に出さないと、いけなかったのに……サークルさんオリジナルのギャグマンガです。原作を知らずとも楽しめると思われます。こころあたたまりますよーゆっくり、ゆっくりと読み進む事をオススメします。

誰も傷つけることなく、安心して読める作品です。もう少し時間をかけて読めばよかったかな？でも止まらなかったから仕方ない。でも少女の方はそうじゃない。