そばがある!

ヒーリング絵本とでも言いましょうか。シリアスな描写ではありますが、「いい関係だな〜」と、なんだか微笑ましく感じてしまいます。原作を遊んだことがある人ならよくわかる、思わず笑ってしまう部分が取り扱われています。飛べるとこまで飛んでほしいものです。

小学、中学のころ、なにをするのが楽しかっただろうか。今回も緊迫した展開で目が離せません！前書き挨拶や、後書き挨拶もびっしり書き込まれており、古き良き時代の同人誌そのままのテイストが感じられました。二人の関係性も恋愛関係へと傾きちょっと甘い雰囲気が漂います。内容的にはどちらもそれほど萌えやお色気が前面に出ておらず、読む人を選ばないなという印象でした。

このシュールさは、レビューできません。原作の戦闘パートのパロディには本当に笑いが止まりませんでした。切なく甘い二人を堪能していただけます。だが、敵に人質を取られ、為すすべも無く服を脱ぐ事を強要される……いつも通りこのサークルさんのスタイルで、萌えやお色気はほとんど感じず徹頭徹尾ギャグで読めます。

このサークルの二次創作本を何冊か手に取った事がありますが、まさかオリジナルの作品までもこんなにクオリティが高いのは本当に凄いと思います。どのお話もしっかりとした内容になっており、オチも丁寧についていたから面白かったです。また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。ページは大ボリュームで基本的にすごく濃いギャグです！

ギャグ漫画と誤解されてしまいそうな作風ではありますが、その本質は主人公のありがちなダメ人間っぷりに共感性を訴えかけさせた上で、主人公（自分）を反面教師にして欲しいという啓蒙的な側面があるように思えてなりません。