夢見が丘のりる

伏線が非常に多く、一気にのめりこみました。「鬱」の名を冠する作品としてあるべき姿なのかもしれません。原作を知らなくても最初の方でキャラクターの顔・名称・性格など説明されているのでとっつきやすいかと思います。こんな漫画があったとは今まで知りませんでした。今まであまり見せてくれなかったその力の片鱗を垣間見せてくれます！

セリフ付き絵本のような形で読み進んでいく作品で風景、特に空が非常に印象的な作品です。スピンオフなマンガ第一弾です。固定カプが好きな方にはお薦め致します！この作者による18禁作品に接して、この作者に興味を感じて購入しました。サラサラの髪やメイド服のフリフリ感など、被写体の質感の描き分けに描き手の情熱を感じました。まず登場シーンから飛ばしていて、いきなり屋上の柵を乗り越えようとしたり、パンツ丸見えで主人公の上に落っこちたりしています。

元ネタは知りませんでしたが、ほのぼのとした内容で安心して読むことができました。お姉さんタイプが一番ぐっときました。55円の価値は十分、元が取れたと感じられます。夏の風物詩であるスクール水着姿、不意打ちの体操服などエロスが学校生活に溢れています。絵柄に作者の人柄が出るお値段がリーズナブルで嬉しかった。はたから見ている分には、どこも悪いようには見えないのだから。

前書き挨拶や、後書き挨拶もびっしり書き込まれており、古き良き時代の同人誌そのままのテイストが感じられました。不思議な感じのするおもしろさに思わず笑い、気がついたらハマってしまっていました。読むだけで癒される作品です。「鬱」の一文字で距離を置いてしまいそうな方でもお勧めします。笑いが止まらなくてつらい。コマ割やキャラクターのカットの仕方、ストーリーの進むテンポが素晴らしいので、書き込まれた描写の割りに、非常に読みやすい。