人外のための労災ハンドブック

ギャグ漫画と誤解されてしまいそうな作風ではありますが、その本質は主人公のありがちなダメ人間っぷりに共感性を訴えかけさせた上で、主人公（自分）を反面教師にして欲しいという啓蒙的な側面があるように思えてなりません。マニアックでない、万人受けする萌え系絵柄でのが楽しめます。時間のたつのを忘れていっきに読んでしまいました。でも、久しぶりにジーンとくる作品を読んで心が洗われるようでした♪紙媒体は絶版なので入手方法はこの電子媒体のみとなっています。だけど　あの連想ゲームは　怒るでしょう。

直接的なエロは無いですが、技をかけられている時の苦悶の表情などは、十分にエロくて満足するものでした。話を構成する上での舞台設定の役割さえ果たしていればオッケー、という考えのようです。まずタイトルからして秀逸。すごくセンスある線で上手いです。高校生の頃のさわやかな懐かしい感覚がよみがえる様でした。不良少年とは言っても髪を染めて煙草を吸う程度のもので、一人でいるのを好む、そして委員長のパンツには赤面しちゃう可愛らしい一面もある普通の高校生ですので感情移入し易いと思います。

男も絡まず血もでないので、作品の入門編としてもお勧め。いきなり強くなろうとしても、詰め込み系の修行はかえって上手くいかないということが分かる内容となっています。お手本の模倣から脱して自身のスタイルを徐々に見つけていく過程の記録のような作品です。キャラクター個性を良くつかんでいて、キャラクタ―同士の掛け合いが面白く、絵が可愛くて、コマ割りなど、とても見やすく、良い作品だと思います。

ストーリーパートも優しい雰囲気のお話でとても癒され、作者の原作愛を深く感じることができました。ギャグマンガや四コマ漫画、シリアスな話やノベル形式など作風がバラエティに富んでいます。着眼点が良く、隅々まで楽しめる作品でした。（どっか編集部かゲーム会社行けば、すぐに売れちゃいそうとか思うのに……）