あぁ、救世主様！

シナリオが非常にすばらしい作品なので。懐かしさを感じさせる作品。お話はシリアスですが、全体的に細い線で丁寧で、ツヤベタの画法で白黒のメリハリが効いた絵は非常に見易いです。そしてあとがき……！サラサラの髪やメイド服のフリフリ感など、被写体の質感の描き分けに描き手の情熱を感じました。

ひとつひとつを深く掘り下げているというよりは、浅く広くといった作りなので、気負いせずサっと読むのに最適！そんな魅力のあるキャラクターでした。あやうく、PCにコーヒーを噴きかけるところでした。それにしてもどっちかしか選べないってのは本当に切ないですよ……その自然で豊かでキュートな表情が、ストーリーにメリハリを利かせ、読むものをぐいぐいと引き込んでくれる。

その後、すったもんだあって客の少女は頭を叩かれてしまいますが、前よりちょっとだけ不幸体質が強くなったという程度。原作を知ってるなら多分爆笑すると思います。ほのぼのとした素朴な絵柄で、ほっとする安定感があります。絵がかなりいいです。ギャグ系ファンタジー大好きな人は絶対ハマるかと、俺は超この漫画にハマりましたわwしかしながら、ヒロインの頑張る姿と、周囲に理解する人が増えていく様子が、見ていて心地良い。

医学的な異常は見つからなくても、身体は不調を訴え、身近な人にすら理解されなかったりしつつも、何とか外に出たり先に進もうとする主人公の必死な姿が描かれており、応援したくなります。合間に四コマ漫画もあり、全体的にほのぼのとした緩い日常を描いているので、まったり読めるのも良いです。一作目のテンポの速さと、作中での経過時間を考えると二人の関係の進展はややゆっくりに思えます。どれも明るくて生き生きとしたキャラクターばかりなので、ちょっとしたひと時に読みんでみては如何でしょうか。

人気原作に便乗しない原作無しのオリジナル作品も中々侮れませんね。お手本の模倣から脱して自身のスタイルを徐々に見つけていく過程の記録のような作品です。