Felice San Valentino

440円で買いましたが、間違いなくそれ以上の価値のある内容です。でも、やっぱり、気持ちを、ホッこりしたいときにお勧めな作品です。を素材にして、ここまでエロくてうまいのは、ほとんど見たことがありません。昭和レトロで今だと黄ばんでいるような髪質を彷彿とさせるものが随所から伝わってきます。

軽快なギャグとトークなどの掛け合いで各小話は進んで行くのですが、ギャグの間に垣間見えるシリアスな部分が見所です。こういう類の弱さをもった人は過剰に軽率な振る舞いや言動をして、本来とは異なる自分を演じたり、極端に内向的になったり、それが他人には不快な印象を与えることが多々あります。すごく気になる作品となりました。その願いは、絶体絶命のピンチの際に叶えられることとなります。

元ネタ自体が懐かしいものなので、もしかしたら触れた事のない人もいるかもしれませんが、そんな人でも問題なく楽しめる作品になっています。偶然見つけた作品ですが、表紙に惹かれて購入。足元に咲く花も踏めないほど優しい性格の彼女が取る行動とは―――。相手の子にも同じ位の恋愛感情があればもっと違う結果になっていたのかもしれない。今までのおっとりした性格が嘘のように、戦いになると修羅と化すヒロイン。

命を懸けて戦うのにちょくちょく会ったり奇妙な関係の二人。美麗なCGではないけれども、あたたかな、不思議な魅力が伝わってきます。なぜなら、彼氏に激しく迫るシーンがあったので。また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。

このラノベ作品にはエロは求められないという方にオススメ。ゴチャゴチャしてないし、何描いてるか判別しにくいような描き方をされない作家さんですし、じっくりと読み進めていける漫画ですね。女の子同士でいちゃつくだけが百合ではないと教えてくれた作品でした。