星の海へ

なかなか笑わせていただきましたがいかんせんコラボ部分が短いのが残念なところ……。お話はシリアスですが、全体的に細い線で丁寧で、ツヤベタの画法で白黒のメリハリが効いた絵は非常に見易いです。とくに、4コマの横にキャラクターの全身絵が載っていて、必見です。

けっこうハードコアな内容で組み合わせもユニークです。どの物語もコミカルな雰囲気で満たされていますし、読んでいるうちに笑ってしまうことでしょう。物語が進むにつれ次第に表現方に変化してゆくのが見えます。二転三転するシナリオの構成も見事。あと、即堕ちなので過程はありません。命を懸けて戦うのにちょくちょく会ったり奇妙な関係の二人。

作者さんが中に書かれている通り、登場作品全て合わせて雰囲気が素晴らしくて。前書き挨拶や、後書き挨拶もびっしり書き込まれており、古き良き時代の同人誌そのままのテイストが感じられました。作者さん的のもう少し下ネタ入るかと思いたましたが、そういったのも少なかったのですが純粋にネタの面白さがありました。たぶん原作知らなくてもすごく楽しめると思います。

これでたくさん客が来るだろうと思ったけど台風だから誰も来ないという寂しいオチも面白かったです。とにかくボリュームが多いです。原作に対するフリートークもあって作品への愛が伝わってくる良い作品でした。普通と違った面白さをくれます。ストーリーも足早ながら楽しめる内容でした。絵柄も加わって最初から最後までほのぼのとしており、誰でも楽しく読めると思います。

私もいつか参加してみたいと思いました。最近読んだのですが……いいですね、この作りこまれた世界観と独特の絵柄。タイトルやサンプル画像で惹かれるものがある方は購入して間違いないと思います。おすすめのお話は、です。今作では上記の告白に見られるように「鬱」に重点を置いた結果と言えるでしょう。