Through the Looking-glass

古き良き昭和の時代に描かれたかのような劇画調ペンタッチがもう最高！キャラクターたちの掛け合いが面白く、てんぽもの良さも相まってとても読みやすくて良いです。まだこの物語を読んだ事が無い方は、先ず作者様HPのわさび抜きを読む事をおすすめ致します。

内容は前半がキャラクターの顔見せで、後半がメインになっています。血を見ると卒倒するのでいつもは事なきを得ているものの、今回は意識を取り戻した後に色っぽい悪女キャラに変貌。予定調和的ではありますが、牧歌的で安心して読める作品です。短い内容ながらきちんとストーリー性もあります。まず、特筆すべき点は、キャラクターたちの表情。

絵柄も少し少女マンガ的でかわいい感じかな？絵柄も雰囲気も良いので今度はもう少し長い話が読みたいと思いました。「鬱」の一文字で距離を置いてしまいそうな方でもお勧めします。もう、どんだけが好きなんだよ！ストーリー的にはお約束でベタな展開なのですが、原作よりもかわいい感じなのが良かったです。二人の行く末も良い！ストーリーパートも優しい雰囲気のお話でとても癒され、作者の原作愛を深く感じることができました。

飽きるかなーと思っていましたが以外におもしろく、まったく飽きることなく読めてしまいました。人情話が好きな人は、読んで損はないと思います。ほのぼのがお好きな方は是非。当時からのファンなら是非買いたい作品。残りはイラストを主体とした構成です。でも告白があったり、それでも今までの関係でいたり、好きなのに命の取り合いをするという不思議な心理描写は期待通りでした。

作者の愛を感じる一品、脱帽です。だからこそのこの本だ！ファンのファンによるファンの為の作品です。適当に買ったのに大当たりでびっくりしました。ギャグっぽい百合が好きな人や新たなカップリングを模索している人はいかかでしょうか。