BAZZ ARCHIVE vol.1 2023

現代社会の闇の部分というかムリがたたった部分がモチーフのため、多くの人に読んでもらえれば社会全体としての理解も深まるのではないかと思います。今回この作品を購入したのは、作者のルーツが伺えるかな？という動機からです。面白いのが、登場人物の名前がいっさい登場せず、目的や価値観だけを一人歩きさせて物語を展開する手法ですね。

不思議な世界観のせいかもしれません。でも、笑いだけじゃ無いんです、とても心に優しい、癒されたいときに、心があたたまって、愉しくなるお話です。のんびりと、ほんわかと、読んでいくうちに惹きこまれます。話につながり自体はありませんが時間軸は共有しているようです。bazzworldさんが、大好きなのがよく解りました。

でも告白があったり、それでも今までの関係でいたり、好きなのに命の取り合いをするという不思議な心理描写は期待通りでした。キャラをかぶらせている感じなんですけど、ネタをそのままやるんじゃなくて、ノリを似せている雰囲気なんでそれがまたいい味が出てます。この系統が好きなら価格も手頃ですし、購入してみてはいかがでしょうか。面白いだけでなく元の作品が気になるような内容で、とても惹かれました。

これだけの熱量とセンスとキレを持った本はそうそうないです。シリアスの間にコメディを挟むのがいいアクセント！ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。オリジナルのデジタルコミックです。元々リーズナブルな価格の上にセール期間中は激安なので、タイミングが合えば是非購入してみてください。

ネタに興味のある人にも薦められる作品です。医学的な異常は見つからなくても、身体は不調を訴え、身近な人にすら理解されなかったりしつつも、何とか外に出たり先に進もうとする主人公の必死な姿が描かれており、応援したくなります。