オニグルミ 1

ただし、いくつかのサポート期間や時事テーマなど、既に過去形になった内容が一部ありますので、恒久性には欠けます。全編通して大体がほのぼのな感じで、たまにちょっとシリアスというような構成です。可愛らしく描かれたキャラ同士の生々しくも腹黒い駆け引きが、不気味なくらいリアルに迫ってくるものがあり、その描写に関しては感嘆を禁じ得ませんでした。前書き挨拶や、後書き挨拶もびっしり書き込まれており、古き良き時代の同人誌そのままのテイストが感じられました。

こういう類の弱さをもった人は過剰に軽率な振る舞いや言動をして、本来とは異なる自分を演じたり、極端に内向的になったり、それが他人には不快な印象を与えることが多々あります。そしてあとがき……！若干コミカルな要素もありストーリーもしっかりしている。高校生の頃のさわやかな懐かしい感覚がよみがえる様でした。ちょっとしたどんでん返しが序盤にあり、そこからは一気に強引な展開でぐいぐい話が進んでいきます。タイトルとは違い、シーンはありませんでした。

風の音が聞こえてきそうなラストシーン。原作知らなくても充分笑えます。現代社会の闇の部分というかムリがたたった部分がモチーフのため、多くの人に読んでもらえれば社会全体としての理解も深まるのではないかと思います。飛べるとこまで飛んでほしいものです。そのキャラクターの性格がよく出ていると思います。

ギャグ展開ばかりなので、元の作品を知らなくても十分楽しめるものになっていると思います。最近見つけたのですが、すぐにその世界観に圧倒されました。ところどころで微妙に電波なナンセンスギャグが混じりつつ、良くも悪くも普通のオチで終わっており、ニンマリとさせてもらいました。ホラー要素を減らした、ギャグマンガといった感じの作品。でも、久しぶりにジーンとくる作品を読んで心が洗われるようでした♪