幽〇霧子学会合同誌 vol.1

サラサラの髪やメイド服のフリフリ感など、被写体の質感の描き分けに描き手の情熱を感じました。絵柄のタッチも細かいところまで丁寧に線をかいているし好感がもてました。女の子同士でいちゃつくだけが百合ではないと教えてくれた作品でした。その辺のお話をコメディタッチの漫画で解説してくれる、です。愛をテーマにした感動的な話もありました。全体としては軽いノリで読みやすさ重視なのですが、それぞれのキャラの造型、掘り下げは深く、人情物としてうまくまとまっています。

戦闘時も、メリ、ハリがきちんとしていて、何が起こっているか分からない、無駄な迫力だけの戦闘シーンにはなっておらず、きちんと、読者が戦闘の流れに付いて行け、それでも迫力を保った作りとなっています。簡単で綺麗な絵で簡単な話です。登場人物の設定がいろいろと改変されているらしく、ギャグマンガならこうではないと、といった感じに壊れてる友人がすごくおもしろかった。ヒロインと主人公のやり取りが微笑ましくて心がホッとします。予想外の発言をしたことから、周囲は凍りついたかのような静けさが発生。

建物や道などが丁寧に描かれており人物がそこにいるという印象を感じました。彼氏はただ愛情で応えることしかできない。同人作品なだけあって、読者に色々と考えさせる実験的な演出や、商業作品では出来ない斬新な試みがところどころ見られて、他作品と差別化された独創性溢れるとても魅力的な作品でした。作中の流れは大まかにとなります。

真っ暗からだんだんと明るくなる、かっこよく、シリアス・バイオレンス・フェチ・コスチューム、そして個性的な絵柄のとても良い漫画です。とにかくづくしの漫画ですが、内容がとにかくすばらしい。いいなあ、ほのぼの。一風変わった面白い作品を求められている方にオススメです。弱点はネタがわかる人がいるかどうかだ！個人的に、このコスチュームは裸よりエロいんじゃないでしょうか、と思います。