千太夫 第弐話 ボロ城

不思議な世界観のせいかもしれません。読み終えたあとも心に柔らかい感情を残してくれる作品です。「鬱」の一文字で距離を置いてしまいそうな方でもお勧めします。しかしながら、ヒロインの頑張る姿と、周囲に理解する人が増えていく様子が、見ていて心地良い。

全体的なレベルは高いので、続きを読んで満足したいな、という気持ちにはなりました。絵的には胸が大きくスタイル抜群で、顔は大きな目がチャームポイントで、タンクトップを着ており活動的な雰囲気が良かったです。いや〜笑わせていただきました。深刻と言う程では無いけれど、少し自分の中で思い悩んでいる人に、ちょっとお勧めのお話です。あまり見かけないから自分で描くという、同人作家の鑑のような動機から描かれた漫画は、熱意が伴っていることもあって内容がとても面白かったです。

元ネタのキャラクターを理解していればクスッと来るようなネタが随所に仕込まれています。作風が異なるといっても、殺伐とした展開は一切なく、全編ギャグ&ほのぼのな内容。雰囲気のある絵でしかもちゃんと描きこみしてあるので安心して読めます。内容も漫画やイラスト・小説まで様々でまさに昔を感じさせる内容です。また、原作が好きな人には大変お勧めである。

ただし、更に面白くなるのは、4コマ形式になった後半で、こちらでは数ページ止まりです。やり込んだからこその弄る楽しさといいましょうか……「ああ、そうきたか」と思わずニヤリとしてしまう作品です。特に理由はなく、ただただ面白い中身で、主人公はいろいろなところに行って、皆に笑顔で迎えられ楽しい気分にさせてくれる作品ですね。この系統が好きなら価格も手頃ですし、購入してみてはいかがでしょうか。

医学的な異常は見つからなくても、身体は不調を訴え、身近な人にすら理解されなかったりしつつも、何とか外に出たり先に進もうとする主人公の必死な姿が描かれており、応援したくなります。