ウマまとめ!9

販売されてから年数が経過していることもあり、どこか温かな懐かしさを感じる絵柄にクスッと笑えるギャグ本です。マンガだけでなく、小説風な文章や4コママンガなどもあって飽きないようになっているのも良いですね。各イラストもさることながら後ろ表紙は力が入っていると感じる。スピンオフなマンガ第一弾です。もののお話。飛べるとこまで飛んでほしいものです。やり込んだからこその弄る楽しさといいましょうか……「ああ、そうきたか」と思わずニヤリとしてしまう作品です。

すわ過失傷害かと思いきや、男性は立ち上がり、元気はつらつで去っていきます。描き方としては手足が短めに可愛く描かれ、キャラクターごとに目の描きかたを変えて個性を強調しているのがポイントですね。原作を知らなくても、好きで、昔の雰囲気だけを味わいたいという人にもおすすめです。ヒロインの過去が気になったので是非もっと掘り下げて欲しいですね。

戦闘時も、メリ、ハリがきちんとしていて、何が起こっているか分からない、無駄な迫力だけの戦闘シーンにはなっておらず、きちんと、読者が戦闘の流れに付いて行け、それでも迫力を保った作りとなっています。原作に対するフリートークもあって作品への愛が伝わってくる良い作品でした。セックスのシーンはまったくありませんが、肉体をぶつけ合う女性たちの姿はかなり扇情的です。誰が一番可哀想かと言うと、可哀想じゃない人間が一人も（一部除く）いないのに、可哀想に思えない……

いろいろ笑えましたが、最後の話で少し気になる言葉も……のギャグ本で、シリアスな部分はほとんどありません。手書きの注釈やセリフ字など、手作り感のある同人誌です。相変わらず次回への引きがうまいので続きが気になって仕方ありません！あのシリーズが好きだった方なら、すんなり受け入れられると思います。ネームの間が絶妙なまったり系の風味もあって、これも繰り返し読める再読性を高めてます。