Outgrowing only girls, Overtake boys, Growth sound. Mademoiselle Arc

ギャグのセンスはかなりよく、終始笑いが絶えることはありませんでした。作画面ではいつものように白黒がクッキリついた絵で見やすく、スラスラとあっという間に読み終えました。絵柄もかなり原作に近い感じがして楽しく読めました。作家さんのセンスのよさがわかります。

「元ネタ」知らない方はいないと思いますが、知らない人はそれなりに、知ってる人はより一層、楽しめる。ギスギスした感じも無くほのぼのとしています。医学的な異常は見つからなくても、身体は不調を訴え、身近な人にすら理解されなかったりしつつも、何とか外に出たり先に進もうとする主人公の必死な姿が描かれており、応援したくなります。写植ではなく、セリフの文字が手書きのお話もあり、これはこれで味があるものだと再認識しました。

この作品だけでも十分楽しめたけど元ネタを知っている人なら、どこがどうギャグ化されたのかが良く分かるのでより楽しめるのではないかと思う。買って損かどうかは人それぞれだと思うが、自分は買って良かったと思っている。不思議な世界観のせいかもしれません。せつなくて、思わず涙が浮かんでくるようなストーリー。個人的にはがツボかも……。この作品の中では意思の弱い中毒患者は搾取される側の存在でしかないと断じており、自分自身がそちら側であるという事を強く主張し、自戒されているのではないかという想像が膨らんでしまいます。

内容がとても幅広くなってます。だからこそのこの本だ！お手本の模倣から脱して自身のスタイルを徐々に見つけていく過程の記録のような作品です。元々、作者様のサイトで公開されている漫画を愛読していました。というのはマイナーですし、好き嫌いが分かれるジャンルだけど、見ておいて損は無い作品です。

一風変わった面白い作品を求められている方にオススメです。