星月-HOSHIZUKI-5話

やわらかい語り加減が特徴の作品だと、どうしても文やコマを削り、キャラの動きが秩序だってしまい、わざとらしくなりがちだが、この作品は違う。あまりにも好きだから、同人誌を描くくらい大好きな方の作品を見れば、魅力が少しでも分かるかなと購入してみました。

原作知らなくても充分笑えます。最高のエンディングでも最悪のエンディングでもない、一つの節目。しかしそれでも評価が低くならないのは、作品そのものの価値のためだろう。コマ割りも違和感がなく、見やすかったです。鬱っ気は差ほどでもないので青春漫画としても十分楽しめる作品そのキャラクターの性格がよく出ていると思います。

と言えば、ホラーと言うか怖い一面がありますが、このイラストにはそういう部分は一切無し！（どっか編集部かゲーム会社行けば、すぐに売れちゃいそうとか思うのに……）上述のように解釈させていただきますと、作者様は執筆当時、自分を取り巻く環境や社会そのものに多大なストレスを覚えていたのかもしれませんね。全編通して大体がほのぼのな感じで、たまにちょっとシリアスというような構成です。

大爆笑するような内容ではありませんが、くすりと笑えるところもちゃんとあるので、ただシリアスなだけの話ではないです。の、どこか白くぼやけた空気がたっぷりと詰まった作品でした。少女は冷淡に振る舞うことで良心の呵責を打ち消そうとしますが、路傍の花に向けていた優しい眼差しを指摘されてますます決意が揺らぐことに。あまりと言えばあまりの展開に腹が捩れました……ボリュームがあるので読み応えもある作品です。

手書きの部分が見えるからこそ、手作り感があり、作品に対する愛が感じられます。登場キャラも増え、世界に広がりが出た。