戦属3

軽快なギャグとトークなどの掛け合いで各小話は進んで行くのですが、ギャグの間に垣間見えるシリアスな部分が見所です。お金がないということで、食べ物や服に困っていますが、今回はとりあえず何とかなるので、そこは実際に読んでください。なコンセプトに恥じない内容で、とても楽しめました。

長編シリーズ化を願いたいところです。突っ走る展開です。ファンのファンによるファンの為の作品です。もちろん今回も相変わらずなまったり日常ネタを収録。ギャグ漫画と誤解されてしまいそうな作風ではありますが、その本質は主人公のありがちなダメ人間っぷりに共感性を訴えかけさせた上で、主人公（自分）を反面教師にして欲しいという啓蒙的な側面があるように思えてなりません。

まさか頭打ったら人格が変わるとは！あの路線、この路線の思惑がいろいろと交錯して、夏休みに向かっていきます。どのキャラに傾倒するかは読者の自由ってね。ゆるーい人たちによるゆるーい人情です。ギャグのオチごとに書かれた作者の一言コメントが味があって思わずほっこりしました。物語やキャラの設定が意外と珍しいと思います。

また鬱と銘打たれていますがその鬱という言葉の魅力に頼った漫画ではないことだけは確実に言えます。当然そちらを先に見てもらって知っている方が楽しめる内容となっていると思います。商業紙でも同人でも、を扱っているものは少ないので、とても貴重なものを見れた気がする。ゲームを掛け合わせて作られた本作。肉感的な女性の描き方には定評のある作者がエロかっこいいお姉さまの死闘を描く。

ただ主人公はだけあって、コミカルな展開とかわいさがあります。このサークルの作品を購入するのは今回が初めてでしたが、作画がしっかりしていて好感がもてました。