ふしぎのふしぎのほのかくん11

大変ボリュームがあり、読み応え抜群でしたが、この作品は予想を上回る満足感です。原作を存じ上げないので深いツボは分かりませんが、逆にファンの方ならより一層楽しめると思いました。濃厚なギャグの時間を楽しまれていかがでしょうか。色々なキャラクター達が出てきて、面白おかしいことをやっている感じです。

でも告白があったり、それでも今までの関係でいたり、好きなのに命の取り合いをするという不思議な心理描写は期待通りでした。ハンバーグの焦げ色なんて力を入れて（？）ますよ。飽きるかなーと思っていましたが以外におもしろく、まったく飽きることなく読めてしまいました。こちらもオマケとは思えない質の高さ。挿絵や画力は心もとないですが、文章はのめりこむような面白さがあります。

あらためて読んでみても楽しかったし、満足です！でも、短いなりに良くまとまって、オチもウィットが効いてます。また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。少女は冷淡に振る舞うことで良心の呵責を打ち消そうとしますが、路傍の花に向けていた優しい眼差しを指摘されてますます決意が揺らぐことに。

短い漫画の難しいところは「少ないコマでいかに綺麗に面白く起承転結を詰め込むか」にあると思いますが、この作品では起承転結がしっかりしていたので楽しめました。それではなぜこの作品を購入したかというと、鬱デレという響きに純粋に興味を持ったからです。合間に四コマ漫画もあり、全体的にほのぼのとした緩い日常を描いているので、まったり読めるのも良いです。ギャグとファンタジーとバトルの融合って感じの漫画キャラーがその話にぴったりで、明るくていい人達です。

こういう類の弱さをもった人は過剰に軽率な振る舞いや言動をして、本来とは異なる自分を演じたり、極端に内向的になったり、それが他人には不快な印象を与えることが多々あります。