∞ってよゼクス様

まず、特筆すべき点は、キャラクターたちの表情。基本ギャグ多めの中に軽いエロ要素がある程度。残りはイラストを主体とした構成です。どれも明るくて生き生きとしたキャラクターばかりなので、ちょっとしたひと時に読みんでみては如何でしょうか。さあ、アナタはすべての元ネタが判るか——？　……って判らなくても笑えますけどね。

そんな感覚が好きな人へ。ごくごくと温かいものを飲むシーンも微笑ましいですね。前書きと後書きに質問系、全体的にゆるい感じのコメントなど、廃れてしまった文化がぎっしり詰まっていて懐かしくなりました。それにしてもどっちかしか選べないってのは本当に切ないですよ……せつなくて、思わず涙が浮かんでくるようなストーリー。

画質も公開版より綺麗で読んでいて快適ですし、ボリュームもたっぷりで大満足です。今作では上記の告白に見られるように「鬱」に重点を置いた結果と言えるでしょう。その願いは、絶体絶命のピンチの際に叶えられることとなります。果たして、このまま為すすべも無くやられてしまうのか……でも気になって、読んでみた。ギスギスした感じも無くほのぼのとしています。

これだけの熱量とセンスとキレを持った本はそうそうないです。ボリュームも多くこの価格はお買い得だと思います。オリジナルのデジタルコミックです。いわゆる通常のエロはありません。四コマ漫画も収録されており、キャラクターたちのユルい日常が展開されて楽しかったです。ほんのりと前向きな気持ちになれる作品、心から好きだ 他の人にも読んでもらいたい、と思える作品です。

原作のキャラ性を維持しつつもギャグに走り抜けることに全然不自然さを感じさせない所に作者の確かな力量を感じます。