喧嘩する程なんとやら

萌え文化としてのメイド服がこんなに前から愛され続けているんだなぁと発売日を見て改めて感じましたw全体としては軽いノリで読みやすさ重視なのですが、それぞれのキャラの造型、掘り下げは深く、人情物としてうまくまとまっています。本編ではおっとりのんびりなが、軽くダークなキャラになっています。

それこそがこの作品のテーマ、持ち味です。マンガながらも文献の引用や考証がしっかりしているので、資料性もなかなか高いものに仕上がっていると思います。懐かしさを感じさせる作品。ほのぼのとした素朴な絵柄で、ほっとする安定感があります。いいですよね可愛いですよね。ちょっと頼りない主人公の態度にもどかしく思いつつも応援したくなる不思議な魅力を持っている……かな。

今回は自販機の前で話は進み、飲食物を目の当たりにしながらも買えない無一文を強調する場所設定もニクイですね。個人的に、このコスチュームは裸よりエロいんじゃないでしょうか、と思います。あまり見かけないから自分で描くという、同人作家の鑑のような動機から描かれた漫画は、熱意が伴っていることもあって内容がとても面白かったです。不思議なゆるキャラが好きな人にはかなりオススメできます！

ストーリーの設定が面白く、ギャンブル漫画のような非常に緊迫した展開……本当に話の続きが気になって仕方ありません。ギャグのテンポが良く、とても読みやすいので短時間で読めるのもよいですね。マニアックでない、万人受けする萌え系絵柄でのが楽しめます。ネタに興味のある人にも薦められる作品です。続編があればきっとこんな流れになったのかと思わせる程にストーリー、絵共に無理が無くボリュームもたっぷり！

原作ゲームをプレイ済みの方なら間違いなく爆笑するとても質の高い本です。