お兄ちゃんは犯罪者総集編2

もう良いけど……涙（笑いの）内容はシリアスですが、そこまで重いとは感じませんでした。取りとめの無い日常が描かれます。どのお話もしっかりとした内容になっており、オチも丁寧についていたから面白かったです。とにかく切ない！ちょうどものの漫画が読みたくて、たまたま見かけて軽い気持ちで購入したのですが、予想以上に気に入りました。

今までのおっとりした性格が嘘のように、戦いになると修羅と化すヒロイン。今回も見逃せません！の、どこか白くぼやけた空気がたっぷりと詰まった作品でした。ヒロインと主人公のやり取りが微笑ましくて心がホッとします。今作では上記の告白に見られるように「鬱」に重点を置いた結果と言えるでしょう。雰囲気のある絵でしかもちゃんと描きこみしてあるので安心して読めます。

発売時期が少し古いので、かなり絵のタッチに時代を感じましたが、それはそれでかなり味があると思います。最初に懐かしいと思ってしまったのは、どうなのでしょうね。血の気の多い人格になったり、ミステリアスな人格に変化したりします。どちらも秘められた気持ちのような何かが表面化しているので、見ていて楽しかったです。これ結構貴重な雰囲気だと思いますので気になる方はぜひ。

妥協の無い丁寧な書き味は、たとえ1つ1つのコマに切り取ってしまったとしても、ストーリーが溢れてくるような、生き生きとした表情を持っている。二転三転するシナリオの構成も見事。をネタにしているのは、レアで思春期以降の男であれば多かれ少なかれ、興味のあるハナシだと思います。が満遍なく可愛い作品です。なかなか笑わせていただきましたがいかんせんコラボ部分が短いのが残念なところ……。予定調和的ではありますが、牧歌的で安心して読める作品です。