マーブルアニマルズその13 メガロケロスメガロマンチカ

今回この作品を購入したのは、作者のルーツが伺えるかな？という動機からです。その姿勢が彼女が鬱キャラでありながら、忌避感を感じない理由かもしれません。可愛らしく描かれたキャラ同士の生々しくも腹黒い駆け引きが、不気味なくらいリアルに迫ってくるものがあり、その描写に関しては感嘆を禁じ得ませんでした。

暇な時にまた読み返したくなる、これはそんな作品です。挿絵や画力は心もとないですが、文章はのめりこむような面白さがあります。四コマは読みやすく本編を知らなくても楽しめましたし、ボリュームも十分でコスパも良いです。ネタバレなのでこれ以上は秘密。に興味があるなら価格も手頃ですし購入してみてはいかがでしょうか。

ゴチャゴチャしてないし、何描いてるか判別しにくいような描き方をされない作家さんですし、じっくりと読み進めていける漫画ですね。でも、笑いだけじゃ無いんです、とても心に優しい、癒されたいときに、心があたたまって、愉しくなるお話です。そして、表紙イラストは原作のアニメ版の雰囲気がよく出ています。その辺のお話をコメディタッチの漫画で解説してくれる、です。元ネタあるあるの話やゆるーいギャグで思わずニヤッとしました。

ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。キャラクター一人ひとりの魅力を描いていたり、説明がじっしりと書いていたりと、原作愛が伝わってくる感じが良いですね。じっくりと読み込むことをおすすめします。今回の話は今までと違う印象を受けました。また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。

（どっか編集部かゲーム会社行けば、すぐに売れちゃいそうとか思うのに……）