燭台切りの米を食え

で220円は、同人誌としてはなかなかお値打ちですよ？なんとです！だからといって買わずに見過ごすにはモッタイナイ一冊であると個人的には思います。なまなましいエロ要素はあまりなく、どたばたとしたギャグコメディとなっています。丁寧な書き込みが、物語の文章で語らず部分についても、空気感のようなものをかもし出し、すんなりと物語にはいっていくことができます。

キャラクター個性を良くつかんでいて、キャラクタ―同士の掛け合いが面白く、絵が可愛くて、コマ割りなど、とても見やすく、良い作品だと思います。知ってる人はもちろん、知らない人も面白く読めると思います。髪飾りなど細部もしっかり描かれておりクオリティも高く、作品としてはコストパフォーマンスの優れた作品といえます。元ネタが元ネタだけにこの作品もギャグテイストです。原作単行本と同じシチュエーションでありながら、おもしろおかしく遊んでおり、アニメだけよりも原作単行本も読まれていた方はより楽しめる要素が含まれております。

大爆笑するような内容ではありませんが、くすりと笑えるところもちゃんとあるので、ただシリアスなだけの話ではないです。ただ、メイド服がかわいくアレンジされたものなので、ごく一般的なメイド服が好きという方にはあわないかもです。タイトルとは違い、シーンはありませんでした。暇な時にまた読み返したくなる、これはそんな作品です。偶然見つけた作品ですが、表紙に惹かれて購入。

風の音が聞こえてきそうなラストシーン。物語は、それを淡々と描いているが、そこにはしっかりと少年少女のひとつの青春が垣間見える気がした。いや……これは面白いですね。足元に咲く花も踏めないほど優しい性格の彼女が取る行動とは―――。最初から読み直してみると、また今までと違って見えて楽しめるのではないでしょうか？