とらすと

鬱っ気は差ほどでもないので青春漫画としても十分楽しめる作品手に取りやすい価格ですし元ネタに関心のある人は購入してみては如何でしょうか。好きの人なら、受け入れられると思います。四コマ漫画も収録されており、キャラクターたちのユルい日常が展開されて楽しかったです。

やわらかい語り加減が特徴の作品だと、どうしても文やコマを削り、キャラの動きが秩序だってしまい、わざとらしくなりがちだが、この作品は違う。今までのおっとりした性格が嘘のように、戦いになると修羅と化すヒロイン。横読みのスタイルが非常にあった作品だ。お話はシリアスですが、全体的に細い線で丁寧で、ツヤベタの画法で白黒のメリハリが効いた絵は非常に見易いです。二転三転するシナリオの構成も見事。

考証は確かに相当ぶっ飛ばしてますが……まぁそういう部分はあまり問題ではないでしょう。冒頭のマンガはとてもシリアスで緊張感あふれる会話と驚くべき結果が待っていました。ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。また鬱と銘打たれていますがその鬱という言葉の魅力に頼った漫画ではないことだけは確実に言えます。

基本ギャグ多めの中に軽いエロ要素がある程度。この人の絵柄ではとてつもなく可愛いのですが、読者サービスで脱いだセミヌードはほとんど劣情が沸かないという立派なものです（笑）そんな中、彼女の方から彼氏に手を振ったり、彼女が所属する生物部の活動に誘ったりと、まさに青春まっさかりなシーンが続く。

まず最初にキャラクター紹介なども用意されている点が読みやすくて良かったです。元ネタは知りませんでしたが、ほのぼのとした内容で安心して読むことができました。シナリオが非常にすばらしい作品なので。