小桃太郎 上の巻

ギャグはいつものように面白くて腹筋崩壊しちゃいました。作者さんが中に書かれている通り、登場作品全て合わせて雰囲気が素晴らしくて。全体としては軽いノリで読みやすさ重視なのですが、それぞれのキャラの造型、掘り下げは深く、人情物としてうまくまとまっています。

この作品単体でも充分笑えますが、「書いてある」プレイ後に読むと爆笑必至！ひとつひとつを深く掘り下げているというよりは、浅く広くといった作りなので、気負いせずサっと読むのに最適！気が向いたときに思い出したように見る程度でも楽しめる、お得な一品。当時のほんわかとした自由な合同誌のノリを感じ取ることができます。そういえばこの漫画は登場人物の内面が見えにくいかもしれないですね。

ヒロインの何気ない仕草の一つ一つが妙にエロく、18禁ではないのに18禁ぽい雰囲気でドキドキしてしまいました。キャラクターそれぞれの能力などが詳しく技術されていたり、一問一答（質問コーナー）があって、ストーリー外でもたのしめます。エロはおまけで、悪に洗脳される女の子が見たい人（しかもギャグオチが好きならなおさら）と言う狭い範囲にはお勧めです。こんな面白すぎるギャグバトル漫画があったとは……

知ってる人はもちろん、知らない人も面白く読めると思います。そして、いつもとは違いの季節という変わったシチュエーションを味わうことができました。あちこちでギャグとバトルを交えつつ、クライマックスに向けて話が集約されていきます。そういうことなのか！固定カプが好きな方にはお薦め致します！まんまと作品に取り込まれていった訳です。

たとえ今健康な人でも、本作を読めば、に逆に励まされることだろう。シリアスストーリーと書いてありましたが、さほどシビアなシーンもなく、少年漫画的として安心して読めます。