三ツ巴第壱巻

原作のキャラ性を維持しつつもギャグに走り抜けることに全然不自然さを感じさせない所に作者の確かな力量を感じます。この作品の原作がゲームということなので調べてみたいです。正直ネタがわからないのでその方面のコメントは出来ませんが、丁寧に描かれたエネルギッシュな絵を見ているとアニメをみて、魅力をもっと感じてみたくなりました。少女は冷淡に振る舞うことで良心の呵責を打ち消そうとしますが、路傍の花に向けていた優しい眼差しを指摘されてますます決意が揺らぐことに。

特にこれだけは負けないポイントという質問で短期仕上げと答えられているところは、思わず口元がほころびました。基本的にギャグで、時々シリアスが入ってる感じです。内容は短いものの、補足というか説明がしっかりあるので、細かくストーリーや物語の背景を知りたい方も充分楽しめるようになっていて良いです。ギャグ形式となっていて、萌え系からツンデレやクールなど様々な要素も含まれていますので、どなたでも楽しく読めます。

シリアスストーリーと書いてありましたが、さほどシビアなシーンもなく、少年漫画的として安心して読めます。原作ネタのギャグが一々吹きます。不良少年とは言っても髪を染めて煙草を吸う程度のもので、一人でいるのを好む、そして委員長のパンツには赤面しちゃう可愛らしい一面もある普通の高校生ですので感情移入し易いと思います。原作は美男美女のキャラが出て来るお話なのですが、こちらではコミカルでギャグタッチにデフォルメされていてとても可愛いです。

はたから見ている分には、どこも悪いようには見えないのだから。絵柄に作者の人柄が出る読んだ人にしかわからないシュールさです。ホラー要素を減らした、ギャグマンガといった感じの作品。コメディ中心の笑える内容になっています。のいい所が凝縮されたような、そんな素晴らしい作品でした。