潮騒

多少、古臭さは否めませんが、絵柄のクオリティは高く、各々のキャラが魅力的に描かれています。個人的にはがツボかも……。何気に、背表紙がハンバーグ柄なんですよね。会話のテンポや展開の早さなどもよく、読むのに苦労したりイライラしたりということは全くありませんでした。可愛い女の子が大好きな人達と心に優しい話を求める人達に向いていると思います。

伏線いっぱいなので、アレはどういうコトだろう……？コレはどうなってるんだろう……？と謎解きを（解けませんけどwwww）しながら読めるのが醍醐味のひとつでもあるかな。作者のごくごく個人の主体性を前面にだしていますので、同人らしく趣味や（いい意味での）独りよがりが全開です。ほのぼのとした素朴な絵柄で、ほっとする安定感があります。寡聞にして知らなかったのですが、鬱デレ……世界は広い。ちょうどものの漫画が読みたくて、たまたま見かけて軽い気持ちで購入したのですが、予想以上に気に入りました。

愛の言葉を聞いているうちに眠ってしまった女性の表情が綺麗だったので、印象に残りました。それこそがこの作品のテーマ、持ち味です。かわいいと言っても、狙ったかわいさではなく何となく不思議なかわいさがあります。どんなにつらく、苦しかったかを激情に任せて独白する。妥協の無い丁寧な書き味は、たとえ1つ1つのコマに切り取ってしまったとしても、ストーリーが溢れてくるような、生き生きとした表情を持っている。

読み終えた時に、癒される（ほっ……、はぁ……）という感じがじんわりと心に染み渡る。に思い入れがある人なら絶対勝った方がいいです。その後は主人公にデレて頻繁に彼に会いに来たり、主人公に寄りかかって唐突に眠ってみたりと段々と行動がエロくなっていくのが良かったです。なぜなら、彼氏に激しく迫るシーンがあったので。