うちの鎮守府

また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。不思議な、おとぎ話のようなストーリーが、寂しいような、嬉しいような、くすぐったい気持ちにしてくれます。また、原作が好きな人には大変お勧めである。個人的好みで言うとイラストの絵柄が最高。内容も知りたかったことが分かって楽しかったです。元の作品を知りませんでしたが、始めのページで簡潔に設定が描かれているので、知らなくても十分に楽しむことができました。

サラサラの髪やメイド服のフリフリ感など、被写体の質感の描き分けに描き手の情熱を感じました。330円で買いましたが、間違いなくそれ以上の価値のある内容です。軽快なギャグとトークなどの掛け合いで各小話は進んで行くのですが、ギャグの間に垣間見えるシリアスな部分が見所です。笑いが止まらなくてつらい。は本っっっ当に愛に溢れた物語です。すごくセンスある線で上手いです。

前書き挨拶や、後書き挨拶もびっしり書き込まれており、古き良き時代の同人誌そのままのテイストが感じられました。四コマまたはショート漫画がいくつか収録されています。ギャグがぎっしりと詰め込まれています。サークルさんオリジナルのギャグ漫画です。その後、勇者が目覚めた直後に大型モンスターのドラゴンが出てきます。なかなか切ないお話です。直接的なエロは無いですが、技をかけられている時の苦悶の表情などは、十分にエロくて満足するものでした。

タイトルとは違い、シーンはありませんでした。……はっ、思わず現実逃避してしまいました。この作品だけでも十分楽しめたけど元ネタを知っている人なら、どこがどうギャグ化されたのかが良く分かるのでより楽しめるのではないかと思う。やり込んだからこその弄る楽しさといいましょうか……「ああ、そうきたか」と思わずニヤリとしてしまう作品です。