過去短編集5

元々リーズナブルな価格の上にセール期間中は激安なので、タイミングが合えば是非購入してみてください。少女は冷淡に振る舞うことで良心の呵責を打ち消そうとしますが、路傍の花に向けていた優しい眼差しを指摘されてますます決意が揺らぐことに。その後、すったもんだあって客の少女は頭を叩かれてしまいますが、前よりちょっとだけ不幸体質が強くなったという程度。

とはいえ、「妙なテンション&ドタバタ感」が好きなら、一見の価値あり。登場キャラクターも有名所ばかりなので、元作品を詳しく知らなくても十分面白いと思いますし、同人誌初心者向けとしてもいいように感じます。それではなぜこの作品を購入したかというと、鬱デレという響きに純粋に興味を持ったからです。メイド服の描き方が漫画というより一枚絵レベルのクオリティだったので、本当にメイド服が好きなのだという意思をひしひしと感じる作品でした。

医学的な異常は見つからなくても、身体は不調を訴え、身近な人にすら理解されなかったりしつつも、何とか外に出たり先に進もうとする主人公の必死な姿が描かれており、応援したくなります。ストーリーも足早ながら楽しめる内容でした。とくに、4コマの横にキャラクターの全身絵が載っていて、必見です。あらすじをみるとエロネタ満載かと思いきや、ギャグ満載の作品。いろいろ笑えましたが、最後の話で少し気になる言葉も……とりあえずはこれからどんなふうに話が展開していくかですね。

この作品の中では意思の弱い中毒患者は搾取される側の存在でしかないと断じており、自分自身がそちら側であるという事を強く主張し、自戒されているのではないかという想像が膨らんでしまいます。ネタに興味のある人にも薦められる作品です。実に切ない！こういうの読むの好きだったんですよね。絵柄もかわいらしく、マンガの表現手法を用いた絵本のようなテイストを感じます。をメインに据えつつ、全キャラ登場という、欲張りな内容となっています。