なかだしアニバーサリーI

収録されているネタ元がわかるなら、これはものすごくオススメですよ！可愛らしく描かれたキャラ同士の生々しくも腹黒い駆け引きが、不気味なくらいリアルに迫ってくるものがあり、その描写に関しては感嘆を禁じ得ませんでした。不安ならば、それこそ言葉に出さないと、いけなかったのに……

せつなくて、思わず涙が浮かんでくるようなストーリー。少女マンガ風の絵柄でキャラクター絵が可愛くて、コマ割りなど、とても見やすく、ページも多いので良い作品だと思います。だけど　あの連想ゲームは　怒るでしょう。女の子が強敵相手に仲間とともに奮闘していくのが良いです。キャラクターへの愛がある、を通り越してる気がします。

原作は美男美女のキャラが出て来るお話なのですが、こちらではコミカルでギャグタッチにデフォルメされていてとても可愛いです。古き良き昭和の時代に描かれたかのような劇画調ペンタッチがもう最高！最初に懐かしいと思ってしまったのは、どうなのでしょうね。それで脱がされる男性陣が少し色気があるように描かれているのは気のせいでしょうか？w各イラストもさることながら後ろ表紙は力が入っていると感じる。

お手本の模倣から脱して自身のスタイルを徐々に見つけていく過程の記録のような作品です。数ある物の一作品ですが、この作品のウリはいい意味でクセの無い美麗な絵柄でしょう。基本ギャグ多めの中に軽いエロ要素がある程度。その後、すったもんだあって客の少女は頭を叩かれてしまいますが、前よりちょっとだけ不幸体質が強くなったという程度。かわいいですよー

あの時の思い出が蘇ってきて、とても楽しくて笑えるギャグ本でした。全体としては軽いノリで読みやすさ重視なのですが、それぞれのキャラの造型、掘り下げは深く、人情物としてうまくまとまっています。