赤い糸のその先は

キャラの裏設定や作者さんが質問に答えていく「一問一答」のコーナーもあり、面白かったです。コマ割やキャラクターのカットの仕方、ストーリーの進むテンポが素晴らしいので、書き込まれた描写の割りに、非常に読みやすい。ビール好きとギャンブル好きに堪らないあの話です。

未だにDVD化されていない名匠の傑作と同じタイトルではあるが、内容のほうはべつに元ネタと関係ない。それはともかく、絵に惚れた人は即！買いだと思います（ほんとに）。残りはイラストを主体とした構成です。絵柄は最近の漫画によくあるものというよりは、若干アートに近いものを感じます。も面白いですね。ゲームに登場した人物達が色々なネタを提供してくれるので、読んでいるうちに笑ってしまうことでしょう。

というのはマイナーですし、好き嫌いが分かれるジャンルだけど、見ておいて損は無い作品です。今回はギャグは少なめでシリアスな感じの話ですが、とても魅力的なストーリーと演出で引き込まれる作品でした。マンガだけでなく、小説風な文章や4コママンガなどもあって飽きないようになっているのも良いですね。命を懸けて戦うのにちょくちょく会ったり奇妙な関係の二人。

絵本や童画のフィールドでも活躍した往年の名イラストレーターたちを彷彿させる垢抜けた画風に驚きました。まさかの失踪本です。キャラの心情がわかりやすいので『あぁ、なるほど』と納得できた作品でした。ストーリーパートも優しい雰囲気のお話でとても癒され、作者の原作愛を深く感じることができました。タイトルとは違い、シーンはありませんでした。全体的に丁寧に作られている印象を受けます。

予想外の発言をしたことから、周囲は凍りついたかのような静けさが発生。原作のキャラ性を維持しつつもギャグに走り抜けることに全然不自然さを感じさせない所に作者の確かな力量を感じます。