嘘と恋と蜜の味

をメインに据えつつ、全キャラ登場という、欲張りな内容となっています。ごくごくと温かいものを飲むシーンも微笑ましいですね。相も変わらずの二人です。あの時の思い出が蘇ってきて、とても楽しくて笑えるギャグ本でした。いいなあ、ほのぼの。なんとです！特に青い空の絵がものすごく綺麗で、少し泣いてしまいました。作風が異なるといっても、殺伐とした展開は一切なく、全編ギャグ&ほのぼのな内容。

しかし、それでも面白さになんら劣ることはないいと確信しています。「元ネタを知らなくても楽しめる」といいますが、「パロディ」は元ネタを知ってこそ。原作の戦闘パートのパロディには本当に笑いが止まりませんでした。普通の作品じゃ笑えない人は是非！を見るのが好きな人ならこの作品はすごく面白いですよ。どちらも秘められた気持ちのような何かが表面化しているので、見ていて楽しかったです。

どでかいパンツ出てくる、ブラジャー出てくる、これ、ファンタジー？ファンタジーだよね。ファンタジーの筈……丁寧に描かれた背景や料理、海外ホームドラマを彷彿とさせるセリフ回し、と先の展開がわかっていても何度となく読み返したくなる作品です。可愛い女の子が大好きな人達と心に優しい話を求める人達に向いていると思います。大爆笑するような内容ではありませんが、くすりと笑えるところもちゃんとあるので、ただシリアスなだけの話ではないです。

そして、表紙イラストは原作のアニメ版の雰囲気がよく出ています。このシリーズに出てくる登場人物は、皆、逞しすぎて。ところどころに出てくるちっちゃい妖精（？）が可愛いです。こういう世の中だからこそ笑顔のよさが伝わります。丁寧な書き込みが、物語の文章で語らず部分についても、空気感のようなものをかもし出し、すんなりと物語にはいっていくことができます。