原稿の歌 2ばん

という訳ではないですが、内容的にそれに近いものがあります。をメインに据えつつ、全キャラ登場という、欲張りな内容となっています。エロはおまけで、悪に洗脳される女の子が見たい人（しかもギャグオチが好きならなおさら）と言う狭い範囲にはお勧めです。

販売されてから年数が経過していることもあり、どこか温かな懐かしさを感じる絵柄にクスッと笑えるギャグ本です。表紙ではボロンと堂々と見せつけてくれておりありがたいですね。同人作品なだけあって、読者に色々と考えさせる実験的な演出や、商業作品では出来ない斬新な試みがところどころ見られて、他作品と差別化された独創性溢れるとても魅力的な作品でした。「鬱」の一文字で距離を置いてしまいそうな方でもお勧めします。

少々ネタバレ的になりますが、サンプルにある、えっちなシーンというのは、少年誌に載せられるようなささやかなものですので、そういったものが苦手な方にも全く問題ないものです。手に取りやすい価格ですし元ネタに関心のある人は購入してみては如何でしょうか。個人的には、全体としてとても気に入っています。話を構成する上での舞台設定の役割さえ果たしていればオッケー、という考えのようです。妹が兄に素敵と言っているのも面白かったです。

その昔、おもちゃ屋さんにアニメロボットのプラモデルを買いに行っていた頃、いつも商品陳列棚で異色のオーラを放っていたロボットのパッケージ。自分にもこんな可愛いがいたら毎日が楽しそうです。やわらかいタッチの絵がストーリー全体をやさしく表現しており、読み出すと自然に引き込まれていきます。見て損は絶対無い作品だと思います。ストーリーの設定が面白く、ギャンブル漫画のような非常に緊迫した展開……本当に話の続きが気になって仕方ありません。

元ネタがとても懐かしくて、ちょっと感動しました。ストーリーパートも優しい雰囲気のお話でとても癒され、作者の原作愛を深く感じることができました。