緑の輪舞曲

こちらの漫画でも描かれておりますが、熱い！不良少年とは言っても髪を染めて煙草を吸う程度のもので、一人でいるのを好む、そして委員長のパンツには赤面しちゃう可愛らしい一面もある普通の高校生ですので感情移入し易いと思います。ぜひともご購入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

上述のように解釈させていただきますと、作者様は執筆当時、自分を取り巻く環境や社会そのものに多大なストレスを覚えていたのかもしれませんね。出てくる宇宙人もとぼけた感じだけど、なかなか油断のならない存在でした。2人のやり取りはとても微笑ましくて読んでて楽しくなります。取りとめの無い日常が描かれます。古い作品ですが絵柄と主人公の目つきの悪さにひかれて購入。人生の中で一番好きな作品で、愛読しています。

短い漫画の難しいところは「少ないコマでいかに綺麗に面白く起承転結を詰め込むか」にあると思いますが、この作品では起承転結がしっかりしていたので楽しめました。原作通りに、ギャグあり、シリアスありと、読み応えバッチリでしたね。また、まるで緩やかな長い坂を上り終えた様な読後感にこの作品の、誤解を恐れずに言うなら少し不快な、それでいて病みつきになるような魅力を感じました。ストーリーはさほど変わりませんが、書下ろしも多く入っております。

全体的に好きな人にとってはとても気に入りやすい作品ではないかと思います。伏線が非常に多く、一気にのめりこみました。古き良き昭和の時代に描かれたかのような劇画調ペンタッチがもう最高！やわらかいタッチで、とても親しみやすい感じを殺さずに、それぞれのキャラクターが一生懸命考え、行動し、生きている。深刻と言う程では無いけれど、少し自分の中で思い悩んでいる人に、ちょっとお勧めのお話です。

ビルのスキマから見える空、青い空折り重なった雲に、沈む太陽の光が照らす都会の空が見せるどこか寂しげで綺麗な夕焼け。