ベビートラップ 島さち子

特に青い空の絵がものすごく綺麗で、少し泣いてしまいました。表紙がパッと見でかわいかったので、セール中ということもあったのでササッと買いました。足元に咲く花も踏めないほど優しい性格の彼女が取る行動とは―――。また鬱と銘打たれていますがその鬱という言葉の魅力に頼った漫画ではないことだけは確実に言えます。

ページをめくりながら懐かしいなーと思いながら昔のことを思い出しました。その昔、おもちゃ屋さんにアニメロボットのプラモデルを買いに行っていた頃、いつも商品陳列棚で異色のオーラを放っていたロボットのパッケージ。元々リーズナブルな価格の上にセール期間中は激安なので、タイミングが合えば是非購入してみてください。値段自体はお手頃ですし、たまにはこういうのもアリでしょう。

同人作品なだけあって、読者に色々と考えさせる実験的な演出や、商業作品では出来ない斬新な試みがところどころ見られて、他作品と差別化された独創性溢れるとても魅力的な作品でした。私もいつか参加してみたいと思いました。飽きるかなーと思っていましたが以外におもしろく、まったく飽きることなく読めてしまいました。一作目のテンポの速さと、作中での経過時間を考えると二人の関係の進展はややゆっくりに思えます。女の子同士でいちゃつくだけが百合ではないと教えてくれた作品でした。

あの路線、この路線の思惑がいろいろと交錯して、夏休みに向かっていきます。普通と違った面白さをくれます。ちょっとしたどんでん返しが序盤にあり、そこからは一気に強引な展開でぐいぐい話が進んでいきます。続編希望の声もあり、本家（？）のリメイクもあるので私も心待ちにしております。当初の目的である戦への参戦はまだまだ遠いようですが、このままあちこち寄り道しちゃってもいいんじゃね？って思わせます。