魔力を授けるタコ

風の音が聞こえてきそうなラストシーン。暇な時にまた読み返したくなる、これはそんな作品です。こんな面白すぎるギャグバトル漫画があったとは……全身絵にも、それぞれのキャラの性格があらわれていて、見ていて、すごく楽しくなります。不思議な感じのするおもしろさに思わず笑い、気がついたらハマってしまっていました。

昭和レトロで今だと黄ばんでいるような髪質を彷彿とさせるものが随所から伝わってきます。人の好みによるとは思うけど、満足してます。どちらか片方の原作を知っていれば楽しめると思います。ファンタジー冒険風な出で立ちのパーティーにフォーカスを当てストーリー仕立てにもなっています。この同人誌は相当にコアなネタが満載で、古くからPCを扱ってきた人ほど笑えるというか、頷けるネタの宝庫です。

これだけの熱量とセンスとキレを持った本はそうそうないです。最近見つけたのですが、すぐにその世界観に圧倒されました。元の作品を知りませんでしたが、始めのページで簡潔に設定が描かれているので、知らなくても十分に楽しむことができました。あの下腹部は良いと思う。絵柄のタッチも細かいところまで丁寧に線をかいているし好感がもてました。

ところどころで微妙に電波なナンセンスギャグが混じりつつ、良くも悪くも普通のオチで終わっており、ニンマリとさせてもらいました。もしあのままだったらどうなったのか、すごい気になります！面白いのであっという間に読めてしまいます。本作はという心の闇を、上手くストーリーに織り込んでいるように思う。まあ元々本編でもガチレズっぷりはギャグの領域に入ってました作風が異なるといっても、殺伐とした展開は一切なく、全編ギャグ&ほのぼのな内容。

それにしても、童子繭さんはとても絵が綺麗です。まさににぴったりな一冊でした。二転三転するシナリオの構成も見事。